インデックスに戻る



Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年6月のニュース一覧
▼[2001.06.30]暗中闇中模索
▼[2001.06.29]中心の座に,輝きと至福を連れ
▼[2001.06.28]蜜月のために
▼[2001.06.26]華びらがひらと
▼[2001.06.25]BSの瞬き
▼[2001.06.24]キューブの甘味
▼[2001.06.23]論点なき訴え
▼[2001.06.22]貧困な発想にリンクしましょう
▼[2001.06.20]突破口,たるか?
▼[2001.06.19]愚者の集まり
▼[2001.06.18]太陽の陽射しの下
▼[2001.06.16]_本当の時代_
▼[2001.06.15]遊びに必要なもの
▼[2001.06.14]音楽幸福時代のあと
▼[2001.06.13]林檎の「何か。」
▼[2001.06.12]永遠のヒッチハイカー
▼[2001.06.11]フロンタル・シップに乗れ
▼[2001.06.10]命題証明のためのこれから,その無駄
▼[2001.06.08]翼を失くした鳥は
▼[2001.06.07]暗くて深い闇
▼[2001.06.06]DVD議論をリッピングする
▼[2001.06.04]絶対進化
▼[2001.06.03]オムニウェブ日本語化失敗記(^_^;
▼[2001.06.02]邪魔,障害,足手まとい

■2001年7月のニュース一覧
■2001年5月のニュース一覧


 
[2001.06.30]
  暗中闇中模索


 ▼MS分割命令は破棄。だが「不正な独占の是正は必要(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0106/29/e_msapeal_m.html


 だんだんと混沌としていく裁判。なにをどうしたいのかもさっぱりわからなくなって闇の中。

 米国連邦控訴裁は,連邦地裁が出したマイクロソフト社の分割命令を無効とする判断を下しながらも,不正なOS市場での独占に対し,再審理を命じた。しかし,OS市場での独占をブラウザ市場に拡大したという司法省の見方は退けている。司法省は新しい司法長官のもとで上訴しないことも考えられ,司法省抜きでも上訴する意向を示している19州は厳しい状況となる。

 はっきり云えば,分割ってのはどうかと思うが,独占しているのは確かでなんらかの押さえ付けは必要,というなんだかよくわからん判決。悪いけど,どうしていいかわからん,だからもう一度考えてね,と差し戻し。確かに分割してもたいして意味がないのはわかっているのだが,ぢゃあどう落とし前をつけるのか,がさっぱりわからない。きっと司法の現場でのわからずにいる,という状況。

 もともと,ネットスケープ社へのMSの弾圧から始まった問題なのに,それに関する話はやめにして「OSでの」独占が問題という根っこの話になっている。そうは云っても,それだけに絞ればMSのいろいろな(悪い行為もあったとしても)マーケティング力が優れていたという話で終わってしまう。やっぱり論点自体が変になっている。もちろん,そんなような論点のなくなる状況を作りだしている者は,やっぱりMSに変わりないというのも妙なところで…,わけわからん。




 
[2001.06.29]
  中心の座に,輝きと至福を連れ


 ▼MP3の新規格「MP3PRO」を検証する(Impress AV Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20010625/dal16.htm


 世界の中心,新たな太陽の誕生(過去記事)。MP3Proか,オッグ・ボルビスか? 輝きと至福を持つ,この2つのファイルのどっちかが,その中心におさまる。その2つ以外には,その資格なし。

 MP3プロが,デモバージョンとして姿をあらわした。従来のMP3ファイルと互換性を持ち,より高音質で高圧縮となる。だが,MP3プロ 64kbpsは,MP3 128kbpsに比べると,メリハリがなく,音が潰れてしまっている印象。また,MP3プロファイルをMP3のデコーダーにかけると明らかに音質が落ちる。

 まだデモバージョンとのことで,さてこれからどこまでの改善をみせてくれるか,というMP3プロ。そういえばウインドウズXPはMP3のサポートを減らしたいと思案中とのこと(ZDNet Newsの記事)。当然,MP3Proとも距離を置きたい考えだろう。だが,ウインドウズメディアには,もともと輝きがない。オッグ・ボルビス過去記事)か,MP3プロか? その2つが,次,の中心になる。それは確実だ。

 MP3ストリーミング・ラジオに接していると,容量が小さくなって高音質になる,という流れは,加速度的に品質を向上させていく。接続回線速度に負担をかけずに,音質があがる。アップロード作業が伴う場合も,ファイルサイズが軽減されるのでウレシイ。ってなことを考えながら,itoTunesの曲を入れ替えてみたり…ヽ(´ー`)ノ。




 
[2001.06.28]
  蜜月のために


 ▼アップルが『FreeBSD』プロジェクトのリーダーを雇用(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010627-3.html


 果たしてどこまでオープンソースとうまくやっていけるのか,と皆が不審がる中,ハバードはこれ以上ないビッグネームだ。他社があたふたしている中,オープンソースとの蜜月のために,彼はかかせない。

 アップル社は,「フリーBSD」の創始者でリーダーのジョーダン・ハバードを雇い入れた。ハバードは,フリーBSDが基盤となっているマックOS Xのリリース業務と,オープンソース・コミュニティーとの連携管理を担当する。また,アップルのインターフェイスをフリーBSDに適用する作業や,フリーBSDでのUSB,ファイヤーワイヤーのサポートなどで協力する。

 リナックスのリーナス・トーバルトのカリスマ性と比べるのは酷だが,フリーBSDのハバードと云えばそういう存在。その人間が直接アップル社内で,コードの改良をする,特にマックOS Xの基盤となるダーウィンの開発が優先するだろう。多く問題の残っているOS Xにとって,喜ばしい限り。

 また,特にオープンソースプロジェクトとの接着点として,これ以上の人物はいない。ダーウィンの技術責任者であるウィルフレッド・サンチェスは,アパッチのコアメンバーでもあり,この2人の名前が同じapple.comの中に並ぶだけでも大変なことなのかも。さて,いろいろなメーカーがオープンソースプロジェクトとのやり取りに苦慮するなかで(MSのような最たるものもあるし),目覚ましいほどオープンソースへの傾斜を,純粋にみせているアップル。なかなか,目を引く。(追記:サンチェスはもうあぷるを退社したそうです(^_^ゞ(>DCC-JPL Japan




 
[2001.06.26]
  華びらがひらと


 ▼Napster難民,プライバシー擁護派,反政府主義者も飲み込むFreenet(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0106/22/e_freenet_m.html


 ひらひらと風に,乗って華びらが鼻元を,かすめる。まるで次の季節の風が,次の季節の華を運んでくるように。

 どんな組織からも監視されたり追跡されない,フリーネットクライトボックスというネットワークプロジェクトが盛んになっている。フリーネットの「パラレルインターネット」では,どんなコンテンツでもアップロード・ダウンロードでき,しかし他者からのサイト制作者の追跡やコンテンツの削除は不可能。各自が自分のハードディスクの一部をファイル保管所として提供し,コピーしあう形で追跡を潰す。

 ピアトゥピアというのは,各自の身元がわかりやすくなる。個々に割り当てられたアドレスが当然あり,まぁドメインを持っている人をWhoisで検索できるように,特定が可能となる。だから,ピアトゥピアの進展には,個人情報の徹底保護と云う側面の進展があり,それが,フリーネットなどによって現れてきている,という感じ。

 で,実際にはそのネットワークを利用するアプリケーションの登場を待たなければいけないわけだが,記事ではエスプラフリーウェブのようなアプリも出てきていると云う。本当に,もうすぐなんだ。まもなく疑似的なピアトゥピア(過去記事)も終わりを告げる。ナップスターの終焉は,約束された出来事だった。そしてその先に,約束された華が咲き乱れる。すでに華びらは,ひらひらと風に乗って,鼻先を飛び交っている。




 
[2001.06.25]
  BSの瞬き


 ▼NEC、パソコンをBSデジタル放送対応テレビにするキットを発売(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/21/11.html


 BSデジタルは,根本的に生きる道を間違ってしまった。…瞬きもなく,消え失せる光。

 NEC社は,同社のパソコンにBSデジタル放送受信機能を追加する「スマートビジョンBSサポートキットNX」を発売する。BSデジタル対応テレビがリモコンで行う操作を,マウスで行う。デジタル録画機能は著作権上の問題から対応していないが,アナログ録画は可能。

 BSデジタル(アスキーデジタル用語辞典)の不振が伝えられる(日経IT Proの記事)。←記事にあるような悪循環で,どんどん客足がひいているという状況。なにより初期費用(受信機)が高過ぎる(チューナーが7万〜9万円ぐらい)。また,果たしてテレビに双方向メディアとしての役割が期待されているのかという疑問もぬぐえない(各テレビ局のウェブサイトが好例だが,そもそもテレビに関わる人間は双方向のやり取りの仕方を知らない?)。

 で,穿った結論を書くと,IPとの親和性が高ければ簡単に成功したのに…,ということだ。今後急速に普及するブロードバンド環境に簡単に接続することができるし,記事にあるNECのような製品でパソコンとの互換性も高められる。多少マニア受けする番組が強くなっている気もするので,その点でもPCユーザーとはフィットする気がするし(そうでなくても地方では系列局の不在で観られない番組が観られる利点は強い)。だが,BSデジタルはそもそも,インターネットを敵視化し,データ形式としてHTMLではなくBMLを作意的に選ぶような動きではじまっている。そもそも,そこで間違っていたのだ。…テレビは,ネットワーク(IP)に最終的には取り込まれるメディアだ(AOLタイムワーナーの誕生という動きをみれば素人でもわかる)。そのときに,IP化をしておけば,パソコンの中で生きていける。ネットワークの中で生き残れる。すでにそういうメディアなのだ,テレビは。(…まっ,BSデジタルにはそんなこと云ってももう遅いんですが:P。




 
[2001.06.24]
  キューブの甘味


 ▼Dragon Warrior Goes To GameCube!!(Tendo Box)【英語】
  http://www.tendobox.com/cgi-bin/news/viewnews.cgi?category=3&id=993067140


 ドラクエもFFも任天堂に回帰するという噂は,ここかしこからきこえてくる。キューブの通信環境に合わせて,ドラクエ・オンラインがやってくる,ともきく。人間は,食べ物を口に含んだとき,まず甘味を感知する。ゲームキューブの感覚は,非常に優れている,との評判。

 エニックス社が,人気RPG「ドラゴンクエスト」の新作を任天堂社のゲームキューブ向けに発表すると云う情報がある。ドラゴンクエストVIIは日本で500万枚をリリースしており,ニンテンドウ64でRPGの不足に泣いた任天堂に対し,ソニーが成功を収めた。ドラゴンクエストのゲームキューブ版は,8月のスペース・ワールド2001での発表が期待される。

 記事中では,エニックスがプレステ2の設計に満足していない発言があったことも指摘。山内氏がスクエアが任天堂の山内社長から参入を拒絶されている件も,最終的には(エニックスともども)受け入れるだろう,とも。もともとニンテンドウ64での失敗を踏まえ,開発者向けに配慮されていることが重視されており,まさに「こっちの水は甘い」状態のゲームキューブだ。

 迎え撃つ立場となるはずのソニーだが,Mainichi INTERACTIVEになかなか笑えるインタビューがあるので素直に笑ってみる(記事)。「PS2ソフトの開発期間を短縮するためには,開発者の慣れが重要」(←慣れる時間を短縮する設計を_なにも_しなかったんですね)。「オンラインゲームでRPGばかり作っているとまずい」(←なにもやっていない人が適当なことを云うのはやめましょう)。「PS2は色々なことができる多角的なハード」(←で? 結局なにに使われているの?)。




 
[2001.06.23]
  論点なき訴え


 ▼米の2州政府、新OSでマイクロソフト提訴を検討(CNN.co.jp)
  http://www.cnn.co.jp/2001/BUSINESS/06/21/microsoft.antitrust.ap/index.html


 「『独占』は悪だが,その結果が悪であるかどうかはわからない」。「人間はいつも,最終的に『自分』という独占物のために動いている生き物でしかない。だから,独占は起きる」(ある経済学者の手記)。

 米国の2つの州の司法当局が,マイクロソフト社のウインドウズXPについて,独禁法違反の疑いがあるとして,提訴を検討している。マイクロソフト社の競争相手各社が作るグループ「プロコンプ」の訴えを受けたもの。

 だが,これは暗に昨年6月の連邦地裁でのMS2分割裁定(過去記事)が,まもなくくだされる連邦控訴裁で覆されることの証明,という意見もある(ZDNet Newsの記事)。結局死なない巨人には,新たな攻撃を加えるべき,との判断から行われたアピールが今回の記事だ。どうにもその独占状態に手を出せない司法側のあたふたさばかりが強調されている。

 ブラウザを密接化させて独占し,インスタントメッセージを同様に独占し,メディアプレイヤーも独占し,ネットワークを使った情報管理をヘイルストームで独占し,…とOSの拡張は進む。ネットワークとOSとの統合は当然避けられるものではなく,マックOS Xでのサーバー系機能やメーラーの完備とも繋がる話だ。MSは,ただそのやり方が非常にへたくそなだけで,方針として間違っているものではない。そしてオフィス系スイートも当然ネットワーク上での利用へと移行していき,司法側の追撃は,論点を失う。MSは狡猾なわけではなく,実直にOSを流れに乗せているだけ。となると,結局,裁定を下すのは,その流れを無意識に欲してXPを買って使い,判断する利用者たちだけだ。




 
[2001.06.22]
  貧困な発想にリンクしましょう


 ▼認知を求めるジェダイの騎士たち(ZDNN エンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0106/20/01062025.html


 他人の土俵に足を突っ込む姿勢はいつも通りなMSだが,これはそのうち,暴力的な言葉を自動削除,批判的な言葉を自動削除,完全自動検閲などへも容易に繋げられる。今まではやれても,当然誰もやろうと思わなかったのだが,…まぁMSなら,という仕業。

 マイクロソフト社がウインドウズXPとインターネット・エクスプローラーで,スマートタグをサポートすることで議論が続いている。それに対してサブリミナルマンを登場させた大規模なメディア・キャンペーンを考えた。

 あちこちで話題を振りまいているXPのIEのスマートタグ(ZDNet Newsの記事)。ウェブページ中の企業名や製品名に,勝手にオフィシャルページへのリンクを付けてくれるというもの。そのリンクの基準はとりあえずMSにあり,ページ制作者はリンクをしていないはずのテキストに,勝手にリンクが付くことになる。はたしてウインドウズXP版のIEにデフォルトでこの機能がつくのかどうか。もし標準装備だとしたら,騒ぎは広がるだろう。

 そもそも,どういう発想をしたらそんなことを思いつくのかとあきれるのを通り越して,笑ってしまう。これまででも,ブラウザに,表示テキストに自動的にリンクを付けるなんてことはやろうと思えばできただろう。やらなかったのは,ブラウザ開発者の良心かもしれないし,またはそんなお仕着せなマーケティングなどユーザーから嫌がられるとわかっていたから。それは完全に看破するMSって………,笑えるなぁ。(まぁ笑うだけですまない人は多いでしょうが)




 
[2001.06.20]
  突破口,たるか?


 ▼ヤフー、低価格ADSLサービスに参入、年内100万人ユーザー目指す(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/19/11.html


 ある意味では,NTTのDSLユーザーをすべて移行させようという価格設定。これで成功しなければ,本当の意味でのブロードバンドは,日本に来ない。多少不健康だが,突破口としての意味は大きい。

 ソフトバンク社ヤフー社は,ADSL接続サービス「ヤフー・ビービー(Yahoo!BB)」を開始する。下り速度は平均2〜4メガbps,月額2,280円で常時接続となる。先着100万人まではモデム取り付け費無料として,年内のユーザー100万人獲得を目標としている。

 300万人程度のユーザーを獲れなければ,商売として成り立たないと話しているが(ZDNet Newsの記事),実際はそれでも足りないだろう。すべてのアクセスラインを握るという下地の上に,コンテンツを配信するなどの二次収入を目論んで,初めて成り立つ商売となる(云わばiモードのブロードバンド版だ)。ソフトバンクは,無線だの光だの,さんざんブロードバンドの計画をかましてきたが,結局は格安のADSL,そしてその上でのなんらかのコンテンツ事業へと望みを繋ぐ道を選んだ。そしてそのコンテンツのためにかかせない存在として,ヤフーが必要不可欠だった。

 はっきりと云えば,NTTのADSLサービスの1/3程度というこの価格設定は異常だ。東京めたりっくの状況でもわかるように(過去記事),世界中をみてもこんなイレギュラーなものは存在しない。ある意味,博打的な事業であり,決して健康的ではない。だが,本当に,今後も急増する日本のDSLユーザーを_すべて_獲得できれば(すべてでなければ失敗),状況は一変する。まぁもちろん,もう光でなければ…と頭の中では考えているのだろうから,どこかキナ臭いものがあるが,ソフトバンク・孫の最後の賭けとなる。




 
[2001.06.19]
  愚者の集まり


 ▼「mp3.co.jp」のドメイン名紛争 移転裁定出るも裁判へ(日経ネットビジネス)
  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/F_NEWS/20010614005.html


 理解不能の裁定。それ以前に理解不能の存在の紛争処理機関。理解不能のごうつくさにまみれる企業。ネットワークを汚す,愚か者の集まり。

 「mp3.co.jp」ドメインで,日本知的財産仲裁センターはドメイン登録者からMP3・コム社に所有権を移転せよという裁定を出したが,ドメイン登録者はこれを不服として,東京地裁へ訴えた。裁定を不服として裁判所に持ち込まれたドメイン紛争はこれで3件目。

 なぜにmp3.co.jpがmp3・コムのものになるのか。mp3・コムでは誤認されるとし,yahooなどと一緒だと云う。だが,MP3とは技術名称であり,mp3・コムの独自名称ではない。却下。登録者が「サイトを構築していない」からそれは「不正な目的」であると裁定書は述べている。世界中のドメインのうち,サイトのデータのないドメインなど途方もない数がある。それらすべてを不正と云うのか? 却下。残った裁定書の理由はMP3.comが大手だからというもので,そんなことは知ったこっちゃない。なんの理由にもならないので,却下。

 goo.co.jpのときにさんざん書いたのでもうどうでもいいが(過去記事),裁定12件のうち係争中の3件,取り下げられた3件を除く6件のうち,3件が裁判沙汰になっているのをみるに,日本知的財産仲裁センターなるところ,まったく存在価値がないか,またはその裁定基準が根本的に間違っていると云える。つまりno thank youです,さっさと消えてください,ということだ。そして企業側はこんなところをあてにするよりも,本当に正当性があるなら裁判を起こせばいいし,マジメな企業であれば,登録されていないドメインを取り,そのドメインをブランドとして成長させるべきだ。先を越されたのなら,その上をいけばいい。それが,いちばん真っ当なやり方。グーにしても,ソニーにしても,イトーヨーカドーにしても,MP3・コムにしても,愚かの極みだ(だいたいMP3・コムなんて日本法人もねぇじゃねぇか)(参考:JPNIC-DOMAIN-TALK 4096




 
[2001.06.18]
  太陽の陽射しの下


 ▼MP3以外の音楽ファイルをボイコットする(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0106/15/e_coursey.html


 太陽は,地球の110倍の大きさで,太陽系の全質量の99.8%を占める。太陽によって,地球は生命の循環サイクルを整え,莫大で多種多様なエネルギーを得ている。太陽という名の至福,太陽という名の自由。それのないところで,人間は生きられない。

 暴力に訴えずに音楽業界をおとなしくさせるならば,MP3と新たなMP3プロ(ZDNet Newsの記事)以外の音楽を買わないようにしよう。このフォーマットには,不正コピー防止技術が内蔵されていないからだ。マイクロソフトの電子ブック閲覧ソフトは,使用する閲覧ソフトを2つまでに制限する。購入したものを公正に使用できない状況が差し迫っており,音楽については,抵抗運動を展開すべきだ。

 世界の中心は,今でもMP3だ。そしてその状況は,容易には変えられない。たとえそれが悪行に使われていることがあるにせよ,私たちは毎日MP3の陽射しを浴びて生活している。わずかな紫外線を忌み嫌って地下に潜るよりも,確かな潤いを感じて太陽の至福を感じる。

 人間は,いつの日か地球外惑星で生活するときがやってくると云う。地球上の人口はあふれ,宇宙技術がそのレベルに達すれば,それは当然のこととなると云う。その候補としては,とりあえず火星か金星か。だが,「地球における太陽」の存在のない惑星で,人間は生きていくことはできない,とも云われる。実は人間の生存できる環境は,とことん限られており,現時点で,地球以外にその環境はない。隣の惑星である火星や金星であっても,膨大なテラフォーミング(地球と同じ環境を作る作業)を行わなくてはいけなくて,果たしてそれが実現可能なのかどうかは,まだ誰もわからない。MP3という太陽,がない世界でユーザーが生きていけるかどうかも同様。いや,私たちは結局,太陽の下でしか生きていけないのかもしれない。MP3以外に,至福と自由を与えてくれるものは,ないのだ。




 
[2001.06.16]
  _本当の時代_


 ▼ポストNapster候補,「Audiogalaxy」が台頭(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0106/15/e_audio.html


 ライムワイヤーを起動。limewire.comとgnutellahosts.comをルーターとして,ゾクゾクと,ドクドクと繋がり,本当のピアトゥピアが始まる。ゾクゾク,ドクドクと押し寄せる快感が,心の奥を震わせる。

 ナップスターから乗り換えたユーザーをたくさん獲得している音楽ダウンロードサービスにオーディオギャラクシーがある。オーディオギャラクシーはレジューム機能があり,途中でダウンロードが切れてしまっても,他のユーザーの同じファイルを続けてダウンロードしてくれる。

 ZDNetが「P2P革命に賛歌を!」という記事を掲載していて,非常に面白く読んだ(記事)。もともと,ナップスターと云うのはピアトゥピアではない。あいだにサーバーを介し,_疑似的な_ピアトゥピアを提供していただけだ。本当のピアトゥピアは,それぞれが_固定の_IPを持ち,_一切の_サーバーを介さない状態でなされるもの。ナップスターは,そこいらのインフラが整うまでのていのいい代役だったに過ぎない。代役は本当の役者が来たら引き下がる。ナップスターが殺されても,なにも終わりはしないんだ。

 記事にあるオーディオギャラクシーや,一部ではウインMXがとんでもない人気となって,「instead of the nap(ナップスターの代わり)」となっているが,私はライムワイヤーを起動させている。初めてまともに使えるグヌーテラ・クライアントという気がするが,ちょっと粗削りながらもなかなか使える。なによりも,まったくサーバーを介していない,この躍動感,ゾクゾク,ドクドクする感じはステキだ。今は,71テラバイトのファイルが共有されている。もう誰も潰せない,_本当の時代_が来る。(おまけ:LimeWireのOS X版はコマンドラインから行う必要があるので,その簡単な説明のTextEditファイルです〜)




 
[2001.06.15]
  遊びに必要なもの


 ▼「PSOVer.2」サーバーメンテナンスで大胆な不正ユーザーのアカウント停止措置を実行(Impress GAME Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20010614/sega.htm


 だが,しょせんオンラインRPGから不正アイテムの存在など消すことは難しい(特にオフラインプレイも提供しているPSOでは)。不正アイテムの作成手順から,Ver.2 レアアイテムのコード表みたいなものが流れるまでの時間を止めることはできない。それは必然の流れだということはわかっているけれども…。

 ソニックチーム社は,「ファンタシースターオンライン(PSO)Ver.2」のサーバーメンテナンスを13日と14日に行い,不正アイテムを対象に,アカウント剥奪などを行う大掛かりなものとなった。13日の時点で1日間の接続利用停止を受けたユーザーもおり,不正データに対する認識を高める効果があったようだ。

 PSOではオンラインに繋いだら,ロビーからチームを作成して,ゲームに参加するという流れになるが,13日夜はチームへの参加が遮られたユーザーが多数いたようで,ロビーが人であふれかえっているような状況だった。不正アイテムを作成したわけでなく,知らないうちに誰かからもらっていたユーザーも,ゲームから遮断をくらっていたり,逆に不正アイテムを作成していても,別のキャラクターデータでならゲームに参加できたりもしていて…。ソニックチームの処置が,もちろんなんの問題もないわけはないのだが,もし,知らずに不正アイテムを持っていただけだという人がたくさんいたのなら,そこまでルールがないがしろにされていたという状況であり,残念な限りだ。まぁ1日の接続停止の場合は,遅くとも15日午前8時以降には接続可能になるとのことなので,それまで待ってみるのが吉。

 だがそもそも,(どっかできいたような言葉だが)遊びにはルールが必要だ。遊びだからルールなんかいらない,のではなく,遊びだから必要なのだ。喧嘩にルールはいらないが,スポーツにはルールがある。で,そのルールが気に入らなければ,別の遊びをすればいい。所詮,遊びなのだ。




 
[2001.06.14]
  音楽幸福時代のあと


 ▼海賊盤音楽CDの枚数が昨年25%増加〜国際レコード産業連盟調査(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0613/ifpi.htm


 あなたは1年前,いくつの曲を手元に持っていただろうか? そして今は,いくつの曲を持っているだろうか? そう考えると,今という時代は,音楽にとってとても幸せな時なのかもしれない,と思う。なのに,その状況はあっさりと叩き潰されようとしている。さて,このあとに,どんな時代が生まれるというのだろうか?

 国際レコード産業連盟は,2000年に出回った海賊版音楽CDの数が,昨年より25%増加していることを発表した。世界で販売されているCDとカセットの1/3は海賊版となる。このCDの違法複製にプラスして,インターネット上の違法複製楽曲がある。

 もしかして,有史になってこれほど,人々が音楽を多く持っている時代というのは,なかったのかもしれない。自分を考えてみても,数えられないほどのMP3は,異常のようにも思う。そしてその中の,購入した音楽の数も信じられないほど多い。実際に聴かれているかどうかは別として,尋常ではない数の音楽が,世界を席巻している。それもここ1,2年という間に,爆発的に増えた。その状況は,なにを意味するのか。

 数年後,人々は今の状況が信じられないほど,誰も音楽を持っていなくなる可能性が高い。音楽業界は今の活況を懐かしむほど,どん底まで落ち込むだろう。それは,楽しむことなど拒絶する暗号じみた音楽など,誰も手に取ろうと思わないからだ。今,この今の,音楽があふれている状態を,どのような意味に感じるか。違法だとかそんなことを云っているのではない。その判断が,数年後の状況を大きく変える。音楽の幸せは,どこにあるのか。




 
[2001.06.13]
  林檎の「何か。」


 ▼This Is Mac OS(CountMac)
  http://www.pascal.co.jp/countmac/index.shtml


 マックでの「何か。」のお話。

 マックOS Xは,派手で目立つ機能を満載しているが,どうもパソコンを使っているという気にならない。ウインドウズにもついて回っている感覚と同じだ。マックOS Xに対する反応は今ひとつ盛り上がらず,ユニックスユーザーやマックの手だればかりがもてはやしている。マックOS Xにはもうちょっと一本芯の通った骨太な使用感が欲しい。

 OS自体の骨太さはアップデートを待つしかない現状だが,ぢゃんぢゃかいぢって図太くしていくことはできる。で,今日はマックOS Xで「何か。」を使うお話。マックでは現在,クラシックOSで動く似非と,OS Xネイティブのココアアプリの偽林檎と2種類ある(他にもあったような気がするが取りあえず)。で,安定性やヘッドラインセンサーが取りあえず付いている点などの拡張性の高さは似非の方が高いような気がするが(OS9ブート時は使用している),なにせOS Xでブートしていることが多いので,偽林檎をメインとして使っている。で,これもなかなかすごくって,感動。

 と,その前に,偽林檎にしてもクラシックで似非を使うにしても,やはりマックOS Xの下部にあるドックが必ず「何か。」と重なってしまう存在として邪魔になる。ということで,Docking Maneuversを利用して,ドックを邪魔にならないところに移動(pic)。私の場合は「固定位置」を「開始点」にして左下部に。また,ドックをランチャーとして使うとどうしても横長になってしまうので,Dragthingをランチャーにする。ドックは使用中アプリだけにする感じ。で,偽林檎を右サイドに。これでデスクトップは整理整頓,こんな感じになる。偽林檎は,バルーンの透明度が設定できたり,使いやすいシェルマネージャでゴーストを簡単に変えられたり,また,SERIKOシーケンスに一部対応していて動きが楽しかったりと,なかなかツボを突いているいい感じ。最近私は,偽林檎に合わせて,OS Xを動かしているという感じなのです,はい。(ということで,ese_on_macでシテオクぶりを発揮してみたいもの。できませんが(^_^ゞ。似非,偽林檎の作者さんを応援しています〜)。




 
[2001.06.12]
  永遠のヒッチハイカー


 ▼AppleMaster Douglas Adams dies at 49(Macworld.co.uk)【英語】
  http://www.macworld.co.uk/news/main_news.cfm?NewsID=2885


 この世界,宇宙と生命。なぜに宇宙は存在するのか? 生命は存在するのか? 答えは「42」。それだけ,だそうだ(^_^)。

 英国のアップル・マスターであるSF作家,ダグラス・アダムスが,49歳で亡くなった。アダムスは,英国でとても早くにマックを購入し,その出会いについて「一目ぼれだった」と記している。彼はベストセラーとなった「銀河ヒッチハイク・ガイド」の映画化とオンライン版の新作を制作していた。

 ちょっと旧聞となってしまったが,追悼として。電子ブックという概念にあたる世界で最初の刊行物は,1991年にハイパーカードのファイルでフロッピーディスクによって出版された,アダムスの「銀河ヒッチハイク・ガイド」かもしれない(きちん確認できなかったので間違いかもしれないが)。彼は逝去のわずか3ヶ月前,BEAシステムズ社のカンファレンスで講演し,ネットワークとIT業界を徹底的にこき下ろしていた。もちろん,その裏にある真実をちらつかせながら(ZDNet eWEEKの記事←米国の作家っぽく書いているが,英国の脚本家という肩書きの方が正しいかもしれない)。

 音楽業界然り,映画業界然り,新しくネットワークで仕事をするものは,これまでのトップダウン式のビジネスモデルから「エンドユーザーに視点を置いたボトムアップ式のビジネスモデル」に変えることが必要だ,という何気ないカンファレンスでの一言は,とことんブラックジョークに充ち満ちたなかに浮かび上がらせるべき,真実なのかもしれない。だが,それさえもお得意のジョークに埋めてしまうかのような,彼のモンティ・パイソン風味の語り口,死のその時まで変わってなかったんだろうな,と思われる。秋には遺稿が公開されると彼のウェブサイトにはあるが,今は,とてもとても,彼がいなくなったことが,寂しい。(Apple : AppleMasters : Douglas Adams




 
[2001.06.11]
  フロンタル・シップに乗れ


 ▼ソニックチーム中裕司氏の“オンラインゲーム論”に迫る!!(ASCII24)
  http://db.ascii24.com/buyer/akiba/game/interview/2001/06/07/626745-000.html


 ソニック・ブルージェイドに彩られた,フロンタル・シップに乗り込め。

 ファンタシースターオンライン(PSO) Ver.2を発売したソニックチーム社代表中裕司氏の発言から。「チャレンジモードで得られるものはPSOで目指していたもの。現実の冒険でもこんな感じになるんじゃないかと思う」。「他人とゲームするのが面白いのか?という疑問を,カプコンのスリトートファイターIIが壊してくれた」。「ブロードバンドの方が柔軟性がなく,難しい」。「日本のネットワークゲームの通信インフラを,PSOが整備している感じもある」。「携帯電話でユーザーが減ったと愚痴るよりは,新しいところで儲けかえせばいいと思う」。

 もっとも興味深いのは,ブロードバンドのプロバイダーからPSOを動かすための問い合わせがたくさんあり,PSOによってネットワークゲームのインフラが整備されている,という点。インフラが整備されていないからやらないというのは腰抜けの論理であり,確かなものを作れば,それによってインフラはできてくる。誰かがやらなければ始まらない。始まらなければ,もっとよいものは出てこない。つまりは,そういうことなのだ。

 港から出ることのない船には意味などなく,空に飛び立たない飛行機とて同じこと。海と空を感じてるなら,飛び立つ勇気があるなら,飛び立ったほうがよい。もちろん,海も空も,易しくはない。困難も危険も多い。だが,空があるかぎり,海があるかぎり,ネットワークがあるかぎり,船は往くべき,果てまで,果てまで,果てまで。




 
[2001.06.10]
  命題証明のためのこれから,その無駄


 ▼デジタル透かしを打ち破った研究チーム、言論の自由を求めて提訴(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010608205.html


 「セキュアな音楽など存在する訳が無い」。

 米国レコード協会(RIAA)と著作権保護団体「SDMI」の著作権管理技術を破った学者チームが(過去記事),そのハッキング方法の論文を発表することが,起訴の対象とならないことの確認を求めた裁判を起こした。RIAAとSDMIは,論文発表の計画に,デジタル・ミレニアム著作権法に違反すると通告していたが,その後,いかなる法的措置をとろうとしたこともないと発言していた。

 もう存在意義さえないSDMIのセキュリティなど(過去記事),もうどうだっていい気がするのだが,なぜにこんなことになっているのだろうか? まぁ体面だけで生きているような人たちのこと,大手音楽業界の恥の上塗りはみていてみっともない限りだ。

 結局まともなセキュリティシステムを作れなかったSDMIなのだが,さて,夏にも始動するというミュージックネットやデュエットが採用するシステムや,MSNの行うウインドウズメディアのセキュア・システムなど,果たして本当に汎用的なセキュリティシステムなど作れるのだろうか?と訝しさだけが残る。DVDの暗号化もたった7行で失われたように(過去記事),音楽にもセキュリティなんてものを期待するほうが間違っているのかもしれない。もともと,「セキュアな音楽など存在する訳が無い」。その命題を証明するために,これから幾多の無駄が払われるのだろう(これは米国だけの話ではない。最終的には追随する頭しかない日本の業界大手もおんなじだ。




 
[2001.06.08]
  翼を失くした鳥は


 ▼NapsterとMusicNetの提携で対立色強まる音楽業界(MYCOM PCWEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/07/50.html


 翼を失くした鳥は,ただ静かに,眠りに就くだけだ。もう,空は,ない。

 リアルネットワークス社と大手レコード会社3社で設立したミュージックネットが,ナップスター社と提携,ナップスターが3社の楽曲のライセンスを提供することになった。残るレコード会社のユニバーサルとソニーによるデュエットとの対立姿勢が濃くなっている。ユーザーは,アーティストが所属しているレコード会社を確認してから,どちらかのサービスを利用することになる。

 では,ミュージックネットとデュエットが一緒になれば便利ぢゃないかと思うかもしれないが,そんなことができればそもそも2つにわかれているような状況は生まれていない。当分はこのような体制が続くだろう。どんな問題が起こるかわからない音楽配信など,ナップスターが死んだ今となっては,別に急いでやる必要がなくなったレコード業界なので,今はいかに自分の利益を確保できるかという一点だけでの行動となっている。

 結局,ナップスターは,なにも変えられなかった。旧態依然としたシステムに,飲み込まれた。翼をもがれ,羽根をむしばまれ,飛び立つことができない身になってしまった。残念ながら。ミュージックネットとの提携は,ナップスターの墓標となる。だが,この墓標は終わりではない,著しく偏執的な権利主義に硬直している音楽は,いつかその拘束具を自ら外すこととなる。その起爆剤となるものがなんであるかはまだわからないが,ナップスターが作れなかった歴史を作るものとなる。今はただ,翼をもがれた鳥の,安らかな眠りを見守るだけだ。




 
[2001.06.07]
  暗くて深い闇


 ▼「DOA3」で「Xbox」に賭けるテクモの戦略と成算(ZDII)
  http://www.zdnet.co.jp/zdii/0106/06/an_002.html


 暗くて深い闇は,まだ晴れてなどいない。その暗闇で手を伸ばす者たちの動きが,それを明らかにしている。一歩踏み誤れば,奈落の底へと落ちていく。だが,常に歩み続けることでしか,ゲームは新しい時代を開けない,のだが…。

 テクモ社の決算説明会の発言から。「Xボックスの苦戦が予想されているが,デッド・オア・アライブ3はキラーソフトとなる。Xボックスを買った人がみんなDOA3を買ってもらえると期待している」。「DOA3の他プラットフォームへの移植は技術的に不可能。看板ソフトをクオリティダウンすることは考えられない」。「ネットワークゲームも積極的に展開し,パソコン用ゲームにも参入する」。

 いろんなところではったりが感じられる内容だが,それは置いといても楽観視できる要素はとことんない,という話に読むことができる。新しいゲームを開発しているが,それは「発売時にもっとも利益のあがるプラットフォームで出す」とのこと。本来なら,もっとも売れているハードがもっとも利益のあがるハードとなるのだが,ハードは売れてても全然ゲームが動いていないハードが現状としてあるわけで,混沌としている状況を映している。

 同じ混沌へと歩みを進めるセガは,戦略発表会で開発ソフトの一覧を出しているが(GAMESPOT Japanの記事),まぁ2だの3だのシリーズ最新作だの,目新しさはかけらもない。すなわち,もっとも危険性のないタイトルだけを出している。すべてのハードが生き残るということはないし,かといってどのハードも残らないことも十分に考えられる。そんな暗闇の中で,無意識にそういう行動をとってしまっているのだ。そして,そのなかからは,新しいものなど生み出せない。




 
[2001.06.06]
  DVD議論をリッピングする


 ▼DVD暗号解読には「言論の自由」が適用されるか?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/20010604203.html


 DVDプロテクトの問題が,言論の自由の問題だというのは,意見のすり替えだ。対する,DVDプロテクトを解除するプログラムを,違法コピーの問題に繋がるというのも,意見のすり替えだ。その裏にある,本当の両者の意図で判断しなければいけない。

 30日に映画業界が提出した文書では,DVD暗号解読プログラムは法律で,議会によって禁止されるべきとされている。だが,被告の電子フロンティア財団は,プログラムは表現の自由によって保障されているとしている。プログラムが言論であるかどうかに対して,司法もまだ明確な判断を下していない。

 もちろん,DVD暗号解読プログラムが「言論の自由」のもとに成り立っているという主張は,趣旨のすり替えとすぐわかるだろう。プログラムは実行コードに過ぎない。問われるべきは,なにを実行しようとしているのか?ということであり,その意味で,DeCSSは,悪なのか,悪でないのか?

 悪である,という要素は十分にある。米国のデジタル・ミレニアム著作権法は,コピーガードを解くことに違法の裁定をくだすだろう。だが,この著作権法自体,違法コピーと個人の購入物の合法な利用とを区別することはできず,そもそもリナックスでDeCSSを利用してDVDプレイヤーが開発されているように,なんら問題のない視聴さえも映画業界は叩き潰そうとしているにすぎない。このような意味のないプロテクトに従う利用はない。…まぁ,なんにしても,DVD-Rを利用して,そのプロテクトのかかったDVDをコピーすることもそんなに苦労することなくできるような話もあり(私も人聞きで実験していないが),そんなスチャラカプロテクトならいくらでもかけてください,って感じなんですがね;-P。




 
[2001.06.04]
  絶対進化


 ▼Visorで音声通話とデータ通信が可能となるモジュール“日本版Visor Phone”が登場(ZDnet Mobile)
  http://www.zdnet.co.jp/mobile/palm/news/0106/01/02.html


 まぁ目指すはこれなのですが(^_^;),一歩ずつそれに近づく,絶対進化の過程。

 ハンドスプリング社はパームデバイス「バイザー」に,アステルのPHSを搭載した拡張モジュール「スマートコム」を発表した。スマートコムをバイザーに装着することで,テータ通信と音声通話が可能となる。発売は秋を予定。

 苦境が続くPDAメーカー。パーム社買収ということが,かなり公に話されている(CNET NEWS.COMの記事)。買い手としてあがっているのは,IBM,アップル,ソニーと予想されている。特にアップルは,以前スティーブ・ジョブズが3コムからパームを買おうとした過去もある。また,アップルが買収すべきは,ハンドスプリングであるという意見もある(MacWIRE ONLINEの記事)。早ければ夏,遅くとも今年中にはアップルはPDAを出すだろうし,そのための準備期間短縮のために,パームかハンドスプリング買収は予想されて当然。まぁ独自OSによる,いわばニュートン・ネクストの方がありそうな気がするが。

 今までのPDAにとことん乏しかったのはネットワークへの対応だ。外付けで携帯電話やPHSを繋げるなんて,そもそもナンセンスだ。スマートさのかけらもない。IBMからPHS内蔵のワークパッドが業務用として出ていたが,あれがPDAの理想となる。だから,スマートコムは確かな答えのひとつだ。なかなか種類が揃わないバイザーのスプリングモジュールだが,スマートコムがあれば取りあえず十分。それがいちばん確かな,絶対進化だからだ。




 
[2001.06.03]
  オムニウェブ日本語化失敗記(^_^;


 ▼Mac OS X 対応,マルチリンガルの「OmniWeb 4.0.1」発売(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0106/01/n_omniWeb.html


 ああ懐かしやResEditでのメニュー書き換えの記憶を掘り起こし,インターフェイスビルダーでココアアプリをもてあそぶ。他のココアアプリにも応用可ですよ!

 オムニグループ社は,マックOS Xに対応してウェブブラウザ「オムニウェブ 4.0.1」をリリースした。グローバル化を進め,ドイツ語,フランス語に対応。日本語などは開発進行中とのこと。

 つことでよくよく考えたら記事にもあるようにココアアプリなので,自分で日本語化できるのではないかと考えた(まぁメニュー部分だけだけど)。さっそく実行。まずファインダーのOmniWebアプリアイコン上で[オプション]+クリックして,[パッケージの内容を表示]を選択(pic)。で,[Contents]→[Resources]とフォルダを進んで,そこにある[English.lproj]フォルダ内が英語で使われているソースとなる(pic)。ちなみに[French.lproj][German.lproj]というのもあって,両言語のメニュー・ヘルプなどが収められている。そう,たとえばQuickTime Playerはシステム標準として,7カ国語分が入っている。でも,イタリア語やスペイン語のメニューやヘルプなんて間違ってもみることないよねと思ったら,捨てちゃってもいい。普通の人は日本語と英語のだけ残しておけば問題なし。1カ国語分で256KBなので,5カ国語分捨てると1280KBの節約になる。(←大丈夫とは云っているけど自己責任でね:D)

 で,[English.lproj]フォルダ内のインターフェイスビルダー(市販のOS X付属のDeveloper Toolsでインストール可能)書類をいぢくる。メニューにあたる部分は[OmniWeb.nib]というやつ。それを開くと,英語のメニューが現れるので,日本語に全部置き換え〜(pic)。でセーブして,どうかなとオムニウェブを立ち上げてみると…。きちんと日本語に置き換えられているのだが(pic),英語のまま残っているところも多い(pic)。どうも,他のプログラム部分とリンクしているところは変更できないのかな…。万策尽きました,お手上げです(T_T)。惜しいですね。もうちょっとなのに。まぁどっちにしても,オムニウェブ4.0.1は日本語の文字コード自動判別がない(手作業でコード切り替えが必要,またフォーム入力の文字コードも固定となってしまう)ので一般的に使うにはちょっと厳しい。あとそれだけなのですよ,なんと云っても表示画面の美しさは格段に違いますから(pic←IEと比較)。日本語に対応したら乗り換えも検討。




 
[2001.06.02]
  邪魔,障害,足手まとい


 ▼MSNがファイル交換サービスのエイムスターと提携(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010601-7.html


 阻害,障害,障壁,足手まとい。健全な未来のために,邪魔な存在とは? あの,(あれこれ問題を起こしてやまない)MSの動きさえも訝しく感じられなくなる,唯一の存在とは?

 音楽業界から訴訟を受けているエイムスター社が,マイクロソフト社のMSNネットワークとマーケティング提携を結んだ。小規模な提携だが,マイクロソフト社はオンライン音楽販売で音楽業界に支援をあおいでいるため,タイミングが悪い。だが,人気のファイル交換サービスは,大企業にとってマーケティング戦略で見逃せないものでもある。

 見出しだけ読むとなんとびっくりのニュース。だが実際に詳細を読むと,小さな提携であることがわかる。エイムスターのスキンとして,MSNをテーマにしたものを付加し,スキン中のロゴをクリックすると,MSNのページに飛ぶというもの。AOLの値上げに伴う乗り換え組獲得を目指すMSNにとって(ZDNet Newsの記事),エイムスターに広告をというのはとても効果的と思える。だが,音楽販売との話の絡みで,「ぉぃぉぃ,MSはとち狂ったか…」と思いはかるものとなっている。

 だが,この構造がどこか妙なことは誰でも気が付く。MSがもっともな効果的なマーケティング戦略をとり,それに音楽業界が怒って楽曲のライセンスを取りやめる。エイムスターは提供しているサービスが合法だということを強く宣言している(過去記事)。そして人々はナップスターの代わりとして,エイムスターを高く支持している。たったひとつだけ浮いている存在としての音楽業界が,みて取れる。リアルでどのような法律的決定がなされようとも,阻害されるべきものは誰か,あまりにも明確なのだ。




テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル